快眠には寝返りが多い方がいいの?

2020年3月11日 ブログ寝具のお役立ち情報
快眠には寝返りが多い方がいいの?

重力と寝姿勢

人は、進化の過程で直立二足歩行という能力を獲得した結果、両手が自由に使え、大脳が発達し知能を手に入れました。

発達し大きくなった大脳を支えるために、背骨も逆S字に湾曲したともいわれています。

その代償として、首や腰、膝といった関節には四足歩行の時代にはない重力による負荷もかかる事になったのです。

睡眠中だけは、この首・腰・膝といった日中に重力に逆らってきた箇所が、唯一直接的に負担がかからない時間なのかもしれません。

寝返りの役割とは?

あなたはの[寝返り]はどうですか?

「寝返りのたびに目が覚めてしまう」

「朝までじっとして寝ている」

「寝返りが多い・少ない」

睡眠中は自分がどのような寝返りをしているか、その数が多いのか少ないのかはなかなか分かりませんが、

「寝たきり」という表現があるように、寝返りをしないで同じ姿勢でいることはあまり良くないと言うイメージを持っている方もいらっしゃるかもしれません。

寝返りには3つの役割がある

⚫️血液循環を促進すること

私たちの体に流れる「血液」は、全身の隅々まで行き渡ったり、老廃物を回収すると言う重要な役割があります。

寝返りをしないでいると、敷き布団やマットレスと接触している体の箇所にかかる血液の流れが悪くなります。

それだけではなく、荷重が一定になってしまう事により身体の同じ部分に血液や体液が滞りやすくなってしまいます。

血流が悪くなると言うことは、肩こりや腰痛・むくみなどの原因にもなるので、寝返りという行為はその予防の役割も果たしています。

⚫️体温調節

快適な睡眠には「寝床内気象」といわれる人が快眠を得るために必要な温度と湿度があります。

睡眠中に寝返りをすることで、高くなり過ぎた湿度や温度を調整する役割があります。

熱帯夜には寝返りが多くなりがちになるのは、このためです。

⚫️睡眠サイクル

睡眠にはノンレム睡眠とレム睡眠があり、寝返りにはこの2つの睡眠を切り替えるスイッチのような役割があると考えられています。

寝返りと腰痛や肩こりの関係

・朝起きると首や腰が痛い

といった声を良く聞きます。

一般的には、

寝返りが少ない人ほど、朝にこういった症状を訴える方が多いといわれています。

その理由は、先ほど述べたように、寝返りには血流を妨げないという役割があります。寝返りが少ないということは、身体の血流が悪くなり筋肉等が硬くなりやすくなります。

さらに、同じ姿勢が長く続くと、約20kgあるといわれる内臓が押されるかたちになるので、腰痛の原因にもなります。

仰向け・横向き、どちらにしてもずっと同じ姿勢での睡眠というのは体に負担がかかるということです。

デスクワークで同じ姿勢が続いたりすると、筋肉がこわばったり、硬くなりやすくなるのも同じような意味です。

寝返りがしやすい寝具

敷き布団・マットレス

当店に最も多い相談の1つ。敷き布団・マットレス選びです。

今では、国内外のメーカーから多種多様なものが溢れかえっていて、「いったい何がいいの?」と感じている方も多いと思います。「低反発」「高反発」「正反発」「ポケットコイルスプリング」「ボンネルコイルスプリング」・・・

それぞれ長所・短所があるので、ここで詳しく説明はしませんが、要は

硬過ぎず、柔らか過ぎず、寝返りしやすいもの

言葉で表すとこうなってしまいます。

【低反発マットレス】

・比較的柔らかく感じ、包み込むようなフィット感が多い。

・蒸れやすく、寝返りがしにくいものが多い。

・室温が高い夏は柔らかくなりやすく、冬は硬くなる傾向。

【高反発マットレス】

・比較的硬く感じるもんが多く、しっかりとした寝心地が多い。

・横向きで寝た時に、沈まないために腰や肩への負担が多くなる。

それぞれ、寝心地や品質には、価格によって大きく差があるので、実際に寝比べて選びましょう。

自分に合った敷き布団やマットレス選びについてもっと詳しく知りたい方はこちら

寝返りが打ちやすいのは、最低60cm以上は必要です。

枕は高さや素材選びも大切。手軽に買える既製品もたくさんがるが、

より睡眠の質や長く使いたい方はオーダー枕もおすすめ。

 

⚫️掛け布団

寝返りをしやすいポイントは「軽さ」

「羽毛布団は軽くてだめ」という方もいますが、あくまで好みなので、寝返りや睡眠の質や、朝起きて肩や腰が辛いという人も、重いものは避けましょう。

また「羽毛は軽過ぎて寝返りするとベッドから落ちてしまう」という方は、購入するときは、掛けて試すと良いでしょう。羽毛布団にも軽いだけでなく、「ドレープ性」といわれるフィット感もあるものもたくさんあります。

今お使いになっている羽毛布団がベッドから落ちてしまうという人は、羽毛布団の上に軽い毛布を掛けたり、毛布を合わせて使う方なら、アクリルやポリエステルなども毛布を見直してみましょう。合繊は吸湿性がないため、初めは暖かく感じても、睡眠中布団の中がムレてしまい、その結果寝返りが不必要に増えてしまうのです。