10代・20代に広がる「社会的時差ボケ」
2025年9月8日 ブログ
この記事の目次
若者の睡眠に「黄色信号」
皆さんは「ソーシャルジェットラグ」という言葉をご存知でしょうか?
これは「社会的時差ボケ」とも呼ばれ、平日の学校や仕事に合わせた生活と、休日に自分の体が求める睡眠リズムとのズレを意味します。

たとえば平日は朝7時に起きて夜12時に寝るのに、休日になると昼近くまで眠ってしまう。結果として体内時計が大きく乱れ、心身に悪影響を及ぼす。まさに現代の若年層を中心に広がっている課題です。
西川株式会社が毎年9月に発表している「睡眠白書2025」では、10代〜20代の「社会的時差ボケ」が特に深刻であることが明らかになりました。
高校生で最大2時間のズレ
調査によると、10代の平均的な睡眠のズレは約2時間半。20代でも2時間近い差が出ています。
特に高校生は深刻で、平日と休日の睡眠リズムに 2時間ものギャップ が確認されました。
これは単に「寝だめ」で済む話ではありません。人間の体内時計は、光・食事・活動のリズムで調整されていますが、2時間もズレるとまるで海外旅行から戻った後のような「時差ボケ」と同じ状態になります。
なぜここまでズレが大きいのか?
理由の一つは「平日の睡眠不足」です。
多くの子どもや若者は学校や塾、部活動に追われ、十分な睡眠時間を確保できていません。その不足分を休日にまとめて補おうとすることで、ズレが拡大してしまいます。
さらに思春期特有の「夜型化」も関係しています。体内時計の働きによって、成長期の子どもや若者は夜に眠気が来にくい傾向があります。そこに夜のスマホ使用や学習習慣が重なり、寝る時間が遅くなる。結果として平日は強制的に早起きしなければならず、休日にリバウンドが起きるのです。

睡眠満足度との関係
調査では、睡眠の「長さ」「質」「全体の満足度」が低い人ほど、社会的時差ボケが大きくなることも確認されました。
つまり、「よく眠れない → 平日不足 → 休日寝だめ → 体内時計乱れ → さらに眠れない」という悪循環に陥りやすいのです。
このようなサイクルが続けば、学業の集中力低下、イライラや気分の落ち込み、体調不良など、心身への影響は避けられません。
保護者ができるサポートとは?
では、どうすればこの「社会的時差ボケ」を防げるのでしょうか。
子ども自身の努力も必要ですが、保護者のサポートも大切です。
- 休日も平日と同じ時間に起きる
→ 「寝坊をさせない」よりも「朝日を浴びる」習慣を意識させる。 - 寝る前のスマホ使用を制限する
→ ブルーライトが体内時計を後ろにずらすため、就寝1時間前はオフが理想。 - 部活動・塾・習い事のスケジュールを見直す
→ 睡眠を削るほどの活動量は、かえってパフォーマンスを落とす。
こうした日常の工夫が、ズレを小さく抑える第一歩になります。
睡眠は学力やスポーツにも直結
最新の研究では、十分な睡眠を取っている子どもは記憶力や集中力が高く、学力にもプラスの影響を与えることが示されています。
また、スポーツに取り組む子どもにとっても、睡眠は成長ホルモンの分泌や筋肉修復に欠かせません。
「勉強や練習のために睡眠を削る」のは、一見努力のようで実は逆効果。長い目で見れば、眠ることが最も効率の良い自己投資だと言えるでしょう。
💡スリープマスター美内信介のおすすめ実践ポイント
- 休日の起床時間を平日+1時間以内に抑える
→ 体内時計を乱さず、社会的時差ボケを防ぐ効果大。 - 朝起きたらカーテンを開けて日光を浴びる
→ 脳と体を「朝モード」に切り替えるスイッチ。 - 夜の勉強やスマホは23時まで
→ 「あと1時間」は睡眠の質を大きく変える投資時間。
まとめ
今回の「睡眠白書2025」からは、10代〜20代を中心に広がる「社会的時差ボケ」の深刻さが浮き彫りになりました。
これは単なる生活習慣の乱れではなく、心身の健康、学業、スポーツ、将来の社会生活に直結する重要な課題です。
次回は「小中高校生の睡眠不足」についてさらに掘り下げていきます。
📩 ご相談はこちら
当店では、睡眠に関する不安やお子さまの眠りに関するご相談も承っています。
さらに詳しいアドバイスをご希望の方は、ぜひ LINE公式アカウント から無料相談をご利用ください。
👉下記のボタンをクリック
